ヒモなのにヒーロー、フリーターな怪人 『天体戦士サンレッド』
アニメを追っていると、「え!あれもう5年前!?」ってのが多々ある。
年々それを感じる頻度・やってくる速度が半端ないのが三十路か。
『天体戦士サンレッド』もまさかの2008年放送。
5年どころではない。下手したら10周年間近という恐ろしさ。
本作は、世界征服を企む悪の秘密結社である怪人組織フロシャイムと、彼らの野望を阻もうとする正義の味方サンレッドとの対峙構造を主軸として、ときに行われる戦い、馴れ合い、心温まる友情などを描く、特撮変身ヒーロー物のギャグ漫画である。
(wikipediaより)
上記の解説の通りなのだが、この作品の肝は舞台が神奈川県『川崎市』という所だ。
その世界の狭さと地元ネタの嵐は尋常ではない。
一時、世田谷に住んでいた身としては南武線とか二子玉川とか溝ノ口ってワードが
出てくるだけでフフッとなってしまうのだ。
ところが、そんなローカルネタだけが持ち味かというと全然そんな事は無く、
どちらかというとこの世界の所帯じみた雰囲気がとても良いアニメだ。
ヒーロー側となる天体戦士サンレッドは、腕っぷしがめちゃくちゃ強いが
保険外交員の彼女のヒモである。
家では仕事もせずゴロゴロ、パチンコの金を彼女にせびり、
寄ってくる怪人達は喧嘩殺法でボッコボコ。
THEチンピラその人である。
怪人側のボスであるヴァンプ将軍は、悪の組織フロシャイム川崎支部のトップだが、
ご近所付き合いは欠かさず、スーパーの特売日を熟知し、家事全般が得意という
プロのお母さん的な存在なのだ。
その癖、世界征服する気だけはわりとガチなのがこれまた可笑しい。
そんな二組が日々どんな生活をしているかは、本編を見てもらえれば
一目瞭然なので是非1話だけでも見て頂きたい。
ヴァンプを取り巻く怪人達も見た目こそ、怪人そのものなのに
中身はフリーターの兄ちゃん、大学生のソレなので、
その日暮らしを気ままに楽しんでいたあの頃を思い出すのでは無いだろうか。
2008年、自分は大学生で就活に悩んでいた時代、
サンレッドのゆるい感じを羨ましく思いながら、息抜きにしていたのを思い出す。
(翌年、大学4年の留年が土壇場で分かり人生はどん底に落ちていく訳だが。)
懐古なのか、はたまた自分が年を食っただけなのか、
あの頃はニコニコ動画も楽しさが詰まっていたし、ネットは広大でまだ見ぬ面白が
眠っていると感じられていたが、今はどうだろうか。
取り留めないブログを書きながら、まだ見ぬ面白を探す自分に気づく。
読んで頂いた方ありがとうございました。